At a Nissan Plant in Mississippi, a Battle to Shape the U.A.W.’s Future

ミシシッピの日産の工場で、U.A.W.の未来を左右する闘い

Oct. 6, 2013, The New York Times

United Automobile Workers (U.A.W.)は、ここ日産の工場では、組織化を目指したことはこれまでにはなかった。

一方、ブラジルでは、何千人もの組合メンバーが、日産のディーラーショップでピケを張ろうとしている。何週間か後には、U.A.W.のリーダーとサポーターの代表団が、東京と(日産のパートナーであるルノーの拠点である)パリに行き、日産のマネージャーが、労働者が組合結成のための投票をするならばミシシッピの工場を閉鎖すると違法にも脅しをかけていることを告発するコーネル大学の教授によるレポートを公表する予定である。

これらの努力は、日産のブラジルとフランスの最高経営責任者であるCarlos Ghosnに主に向けられている。彼は、会社は組合なしにミシシッピの労働者と対話することを望んでいると公言し、様々なコストカットを進めていることで有名である。

組合が助力して、学生、コミュニティ、宗教リーダーのグループであるMississippi Alliance for Fairness at Nissanが作られている。この同盟のスローガンは、"Labor Rights Are Civil Rights"である。

「これは、南部でU.A.W.が成功するかを決める生死に関わる事案である。だから、彼らは最高の組織家をこの運動に投入しているのだ。」と、カリフォルニア大学、サンタバーバラ校の教授であるNelson Lichtensteinは述べる。

ただし、組織化の動きは、(工場のある)Cantonに緊張をもたらしている。Sheaford Davidsonは、「我々は、"right-to-work state"なのである。産業革命の頃に戻れば、組合がなぜ必要だったかを理解できる。しかし、2013年となった今では、その必要性は感じられない。」と述べる。

ミシシッピ州にとって、日産は初めての自動車工場であり、10年の歴史がある。5200人を雇用し、日産は州で2番目に大きな民間の雇用主である。ミシシッピ州の経済委員会(Economic Council)の長であるBlake Wilsonは、「南部では、組合のない環境は、あらゆる種類の製造業の成長にとってポジティブな影響をもたらしてきた。」と語る。

日産は、1200体のロボットを使う最新式の工場に2億ドルを投資している。工場の労働者のほとんどの基本給は時給23.22ドルであり、それはミシシッピ州ブルーカラー労働者の誇りとなっている。

それにも関わらず、筋肉たくましい塗装技術者のMorris Mockは、組合を強く擁護する。「我々は、日産がミシシッピ州に来たことに感謝している。しかし、年が経つにつれ、安全や人間工学的な問題が語られるべきだと思ってきた。彼は39歳で、工場がオープンした当初から働いている。「日産は変わらなければならないし、私たちの声が聞き届けられるべきだ。」また、臨時労働者(temporary workers)も増加している。組合によれば、工場の生産労働者の40%が臨時労働者だという。かれらは、U.A.W.の組合化の投票に参加する資格はないだろう。国は、臨時労働者の数を明らかにしようとはしていない。

ただし、組合を必要と思わない労働者もいる。組合に賛成する労働者は、組合化を阻止しようとする日産が労働者に脅しをかけようとしていると指摘するが、日産はそれを否定する。

こういった緊張関係は、フォルクスワーゲンのチャタヌーガ工場で起こっていることと大違いである。U.A.W.の地域指導者によれば、先月、工場の2000人の労働者の大半が組合化を支持する署名をした、という。さらに、ドイツの組合であるIG Metallからの圧力で、フォルクスワーゲンは、チャタヌーガで労働者の委員会を形成すると、U.A.W.と協力する意向を示した。ドイツでは一般的なように、その委員会はブルーカラー労働者もホワイトカラー労働者も含み、生産性を向上させ工場のルールを管理するために管理職と協働することを目的とする。