ファーストフードストライキは実際にうまくいっているのか?

Do fast-food strikes actually work?

Sept. 4th, 2014, The Guardian

ファーストフード労働者のストライキのヒミツは、それがうまくいっている、ということである。

木曜日の全国の100都市でのファーストフード労働者の抗議は、ありふれたものにみえるかもしれない。そして、これは偶然の一致ではない。主要な労働組合のリーダーたちは、2012年の11月以来、このファーストフードとホスピタリティ産業で働く労働者の1日ストライキをサポートしてきた。ファーストフード労働者の抗議の展開は、労働運動が作り直されようとしていることの証拠を示している。

労働組合自身が、新しいシステムが壊れたこと、新しい戦略と新しいことを再編成し、試す必要があることを認識しつつある。ファーストフードストライキが示しているのは、まさにそのことなのだ」と、ニューヨーク市立大学のRuth Milkman教授は述べる。

今日のストライキは、数多くの点でこれまでのものと異なっている。イノベーションをもたらそうとしているのだ、とMilkman教授は述べる。広がった市民的不服従―職場放棄をして逮捕されることを招くような―は、その1つの側面である。他のイノベーションは、ホームヘルスケア労働者の参加だ。この産業は、SEIUのような組合が組織化を進めてきたところだが、ファーストフードのように大きな関心を集めていない。この2つの産業を一緒にすることは、組合にとって、守備範囲を広げるひとつの方法である。

このストライキにおけるさらに大きな相違点は、主要な労働組合がファーストフード労働者だけではなく、フランチャイズ店のオーナーをも組織化しようとしているところだ。フランチャイズ店そのものが、利益を搾り取られているのだ。

このストライキは成功しているのだろうか?その証拠はある。ストライキや抗議は、シアトルのようなところで、最低賃金を上げることに成功している。また、労働組合組織率の減少は、スローダウンしているように見えるし、ニューヨーク州では逆に盛り返している。

そのほかの証拠は、所得の労働分配率が急上昇していることだ。所得の労働分配率は、企業の利益の何パーセントが従業員の賃金として支払われているかを示す。

何が労働者の運命の好転させたのだろうか?多くの要因が働いているように思われる。多くの人が思っていることとは反対に、労働者の教育水準が高いと、組織率も高くなる。数10年前は、典型的な組合メンバーは、教育をあまり受けていないブルーカラー労働者だったが、今は教育や行政の分野での中間レベルの専門職は、他の労働者グループよりも組織化される傾向にある。

大きな労働組合は、組合の評判を回復しようと闘ってきたが、低下する組織率を前にして、彼らは窓際族をリクルートする必要があった。今年、かれらは、"alt labor"、つまりSEIUや他の大きな組合に頼らないグループを通じてその活動をしている。その戦略はうまくいっているように思える。新しいメンバーを労働運動に積極的にリクルートすることは、組合それ自体が組織率レベルを上げるための主要な方法である。